コンパクトシティが進まない理由──人口減少社会における現実的な選択肢

コンパクトシティは「分かっていて」進まない

人口減少と高齢化が進む以上、日本の都市構造を今のまま維持できないことは誰の目にも明らかだ。
にもかかわらず、コンパクトシティ政策は掛け声倒れのまま、実効性を伴って進んでいるとは言い難い。

理由は単純である。

都市を畳む決断は、政治的に損しかないからだ。

「ここは中心地、ここは縮退」
この線引きを国がやれば反発は必至。
自治体に任せれば、誰も決めない。

結果として、日本は

すべての街を“一応守る”

という、最も非効率な均衡点に張り付いている。

正面突破は無理である

コンパクトシティの議論では、しばしば
「強制的に集約すればよい」
という意見が出る。

しかし、それは現実を無視している。

  • 居住地の強制移転
  • 医療提供地域の明示的切り捨て
  • 生活圏の一律指定

こうした措置は、民主主義下では成立しない。

したがって、コンパクトシティを進めるなら
「都市を正面から畳む」という発想そのものを捨てる必要がある。

次善策:高齢者を“自然に”集める制度

そこで考えるべきは、
人が集まりたくなる制度を先に作ることだ。

高齢者向け住宅を地方中枢都市に集中的に整備する

例えば、

  • 広島、仙台クラスの地方中枢都市
  • 駅徒歩20分圏内
  • 医療・商業・公共交通が成立するエリア

に、高齢者向け住宅(準公的住宅)を集中的に整備する。

重要なのは、

  • 強制しない
  • 立ち退きを迫らない
  • 「ここが一番楽ですよ」という選択肢を置くだけ

という点だ。

高齢者は、

  • 医療
  • 買い物
  • 移動
  • 孤立しない環境

に強く依存する。

条件が揃えば、人は自発的に移る

問題は「東京」ではない

東京一極集中の主因は若年層である。
それ自体は合理的な動きだ。

問題は、若者が流出した地方に
高齢者が薄く広く残ることである。

人口密度が下がる中で、

  • 医療
  • 交通
  • インフラ

を広範囲に維持することは不可能に近い。

地方の内部で集約単位を決める

だから必要なのは、
東京を止めることではない。

地方の内部で、
集約単位を明確にすることである。

  • 高齢者向け住宅を地方中枢都市に集中的に配置する

すると、

  • 山間部や郊外の自然縮退が進む
  • 医療・介護資源を効率化できる
  • インフラ維持区間を短縮できる

これは東京対策ではない。
地方が持続可能になるための最低条件である。

結論

都市を正面から畳めない以上、残された道は一つしかない。

  • 人が集まりたくなる制度を作る
  • 強制はしない
  • しかし結果は変える

コンパクトシティとは、
地図を書き換える政策ではない。

人の選択が自然に重なる場所を作ることで、
初めて成立する。

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ぜんたろう

ぜんたろう

FP2級/宅建士。お金の話が好物。インデックス投資がメインなのに個別株・ETFにも手を出す。ここ数年で投資スタイルが確立した筈だがジャンク株に心を奪われがち。 --- 永遠の見習いプログラマ (SIer複数→スタートアップ複数→大きめベンチャー)

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