まえがき
対象読者
IT業界でキャリアが1年に満たないWeb系エンジニアで下記に該当する人
- 異業種からの転職者
- 非情報系学部出身者
この記事を読むと何が分かるか
- キャリア最初期にどのように勉強すればよいか。
- SNSとの関わり方。
結論
- Software DesignとWeb+DB Pressの2誌を最低読む。
- 仕事で使うライブラリのソースコードを読む。
- SNSは有用、ただし「フリーランスで月収○○○万円」系アカウントは即ブロックする。
書籍を使った学習
昔々、多種多様な雑誌がありました。しかし出版不況の波のせいか、次々に休刊・廃刊が決まりました。ということで私が推すのは次の2誌です。
- Web+DB Press (技術評論社、偶数月24日発売)
- Software Design (技術評論社、毎月18日発売)
検索すれば内容は分かりますが、少しだけ紹介します。
Web+DB Press (雑誌)
後述するSoftware Designよりは新しめの技術に関する記事が多いです。フロントエンドやバックエンド等を実際に使っている企業の開発陣が特集記事を執筆している場合もあるので「これどう使うの?」という疑問への実践的な回答を得られることがあります。
また、4月発売号にはWebアプリケーション開発の入門者向け記事が見られます。ちなみに2020年と2021年の新人・入門者向け特集は次の内容でした。
本書の内容で分からない言葉を調べながら読む、かつ可能な範囲で手を動かすとよいでしょう。
Software Design (雑誌)
前述のWeb+DB Pressよりは低レイヤの記事が含まれる印象です。言い換えるとフロントエンド/バックエンドフレームワーク等ではなく、サーバそのものやOS・インフラ全般の記事が厚めです。とはいえ、あなたが仕事でインフラを触るかどうかに関わらず読んでおくことをおすすめします。やはり4月号に新人向け特集が用意されることがあります(ただしWeb+DB Pressよりは新人向けの雰囲気が薄い)。2020年と2021年の特集は次の内容でした。
- 2021年4月号『正しく説明できますか? ps,ls -lの出力,sudoの意味 新人教育に役立つLinux総復習』
- 2020年4月号『新人ITエンジニアのためのストレージ入門しくみから運用の基本までマスター』
やはり読みながらできるだけ手を動かすことをおすすめします。
技術系同人誌やWeb記事等他にも良質なものはありますが、あまり手を出して混乱するのもよくないのでこの2誌を最低限押さえるとよいでしょう。
その他(書籍)
やや流行りもの感がありますが、翔泳社のITエンジニア本大賞の中から選ぶのも簡単です。評価の高い書籍が参考にしている文献・書籍は良質なことが多い為、芋づる式に良質な情報を入手できることでしょう。
ただし、色々なものに手を出しすぎて消化不良にならないように注意してください。
業務で使うライブラリを利用した学習
絶対に勉強ネタに困らない方法です。職場でのあなたの評価が急上昇するかもしれません。
たとえばあなたのチームが開発中のアプリケーションでとあるライブラリが使われているとします。今時はそのライブラリのソースコード一式がGitHub等で公開されていることも珍しくないでしょう。それを読むことで、きっと次のものを把握できる筈です。
- 当該プログラミング言語のコーディング方法
- 当該プログラミング言語におけるテストの仕方
- ライブラリ自体の作り方
- ドキュメントに載っていないオプション(止めてほしいですが…)
- 過去に発生した問題と関連する議論
もしかするとそのライブラリのコーディングスタイルはあなたのチームと異なるかもしれません。善し悪しについては何とも言えません。しかし、誰しも自分のやり方が当たり前(正しい)と考えてしまいがちなので、異なる書き方を知っておくのはよいことです。
これを続けることで、そのライブラリの使用方法や関連したトラブルについてあなたが一番詳しくなることも不可能ではありません。トラブル発生時、あなたの日々の積み重ねが活きるかもしれません。
なぜアプリケーションコード自体ではなくライブラリなのかと思われた方がいるかもしれません。その回答は「どうせ業務時間に必死に読むことになるから」です。
SNSを使った学習
私は大抵のものは毒にも薬にもなると考えています。SNSも同じです。
よい人をフォローしていればよい情報を得られますが、その逆も然りです。
まずあなたに伝えたいことは、情報商材関連アカウントからの情報はゴミなのでブロックしましょう。そのアカウントが現実世界の友人の場合、縁を切るかミュートにするとよいでしょう。
実は、有用な情報をSNSで簡単に入手する方法があります。それは、先述の書籍の著者アカウントをフォローすることです。良質な記事を執筆する人はやはり良質な情報を流しているものです。また、彼ら/彼女らがフォローしている人も優秀な可能性がありますのでどんな発信をしているかを確認してからフォローするとよいでしょう。また、そうした方々が動画を公開している場合にはそれを視聴するのもよいでしょう。きっと具体的な理解が深まるはずです。
ただ、優秀な彼ら/彼女らもやはり同じ人間です。感情の波があり、有用でない情報を発信することもありますが、その時はお互い様だと考えてください。
あとがき
ひとまずあなたが今いる場所で生き残ることを目標に書きました。2, 3年目にはCSの教科書になるような書籍を読み始めるとよいでしょう。業務経験も合わせて蓄積することで、エンジニアとして長期的に走れるようになる筈です。
ちなみに私は読書派です。もちろん動画は分かりやすいのですが、いかんせん時間がかかるというのが理由です。基本的に読書で、理解が拙いものについては関連動画を探すようにしています。
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この記事を書いた人 Wrote this article
ぜんたろう
FP2級/宅建士。お金の話が好物。インデックス投資がメインなのに個別株・ETFにも手を出す。ここ数年で投資スタイルが確立した筈だがジャンク株に心を奪われがち。 --- 永遠の見習いプログラマ (SIer複数→スタートアップ複数→大きめベンチャー)