五層構造モデルで考える、備えの設計例

──どんなお金を、どこに置き、どう使うのか

前回の記事では、2025年の資産推移と、そこから得た気づきを整理した。
その中でも触れた「五層構造モデル」について本記事で整理しようと思う。

五層構造モデルの全体像(一覧)

※以下の表は、
価格変動や成果の不確実性が大きい層ほど上段に、
生活と直結し、安心して取り崩せる層ほど下段に配置している。

名称主な中身想定利回り主な役割
第⑤層グローバル投信層全世界株・米国株インデックス年4〜6%長期成長の中核
第④層海外ETF・外貨資産層高配当ETF・外貨建て資産年3〜5%通貨分散・インカム
第③層日本株層配当株・安定収益株年2〜4%円建てリスク資産
第②層流動性ファンド層MRF・MMF(円/ドル)年0.5〜5%即応資金・待機資金
第①層円資産層預金・個人向け国債年0〜1%生活防衛・基礎安定

※利回りは期待値ではなく、長期的な現実レンジとして見ている。

なぜ「五層」に分けるのか

資産運用の話になると、

  • どれくらい株を持つべきか
  • 現金は何割必要か
  • 暴落時にどうするのか

といった論点が、バラバラに語られがちだ。

しかし実際には、

  • 平常時
  • 暴落時
  • 急な支出が発生したとき

では、取るべき行動がまったく異なる。

それらを同じ財布で管理しようとすると、
判断が遅れ、感情に引きずられやすくなる。

そこで私は、
「役割ごとにお金の置き場を分ける」という考え方を採用した。

各層の考え方と使い分け

第⑤層:グローバル投信層(想定利回り:年4〜6%)

  • 全世界株式・米国株インデックスが中心
  • 長期の経済成長を取り込む役割
  • 原則として取り崩さない
  • NISA・iDeCoを中心に積立

ここは「増やすための層」であり、
生活や短期判断から最も遠ざけておく場所だ。

第④層:海外ETF・外貨資産層(想定利回り:年3〜5%)

  • 高配当ETFや外貨建て資産
  • 為替分散とインカムの確保が目的
  • 市況次第で部分的に調整する余地は残す

第⑤層よりは現実的に触る可能性があるが、
それでも「頻繁に動かさない」前提で置いている。

第③層:日本株層(想定利回り:年2〜4%)

  • 配当を意識した日本株
  • 円建てリスク資産としての位置づけ
  • 暴落時の買い増し余地も含めて管理

為替リスクを抑えつつ、
国内経済との連動を持たせるための層。

第②層:流動性ファンド層(想定利回り:年0.5〜5%)

  • MRF・MMF(円・ドル)
  • 即応資金・待機資金の役割
  • 暴落時や急な支出へのクッション

利回りは金利環境次第だが、
「慌てて判断しなくて済む状態を保つための層」として非常に重要だ。

第①層:円資産層(想定利回り:年0〜1%)

  • 預金・個人向け国債など
  • 生活防衛資金
  • 迷わず使ってよいお金

ここを十分に確保しておくことで、
相場が荒れているときでも、上の層を無理に動かさずに済む。

この順序にしている理由

このモデルでは、
安心して取り崩せる資産ほど下に、売り時を選ぶ必要がある資産ほど上に配置している。

この並びにすることで、

  • 暴落時に売らなくて済む
  • 急な支出でも迷わない
  • 市場に過剰反応しなくなる

という効果があった。

平常時・暴落時・急な支出時の行動

平常時

  • 第⑤層・第④層は基本放置
  • 積立はNISA・iDeCoを中心に継続
  • 第②層・第①層を徐々に補充

暴落時

  • 原則として売らない
  • 使うのは第②層(流動性ファンド)
  • 上段は「耐える前提」で設計している

急な支出が必要なとき

  • 迷わず第①層から使う
  • 投資判断と生活判断を切り離す

五層構造は正解ではない

当然ながら、この五層構造は万人にとっての「正解」ではない。
重要なのは「自分の資産がどの局面で何の役割を持つのか」を説明できることだ。

その構造を持てたことで、
相場や制度のニュースに触れても、以前より心が乱されないようになった。
今後も落ち着いて眠れる日々が続いていくと感じている。

構造があれば、数字が揺れても判断は揺れにくい。

次回予告

次回はこの五層構造を前提に、

  • 高い貯蓄率をどう資産成長につなげているか
  • なぜ「貯蓄率が高い=安心」ではないのか
  • 成長と安定をどう両立させているか

について整理する。

2026年の不確実性への備えと自省として。

この記事を書いた人 Wrote this article

ぜんたろう

ぜんたろう

FP2級/宅建士。お金の話が好物。インデックス投資がメインなのに個別株・ETFにも手を出す。ここ数年で投資スタイルが確立した筈だがジャンク株に心を奪われがち。 --- 永遠の見習いプログラマ (SIer複数→スタートアップ複数→大きめベンチャー)

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